ディンカム・ジャパンはディジュリドゥの販売・教室を母体として、
オーストラリア先住民アボリジナル文化を日本に広める様々な活動をしています。
ディンカム・ジャパン 
10:00-18:00 土日祝も営業しています。
TEL : 03-3933-5763

〒179-0085 東京都練馬区早宮2-17-35平和台クリスタル217ビル302号

民族旗 ヨーロッパ人の植民 トレス海峡諸島民 行政 雇用 
教育 土地所有権 法律 保健 アボリジニ文化体験記  北東アーネムランド訪問ガイド


土地所有権

 西洋の文化では、土地は個人の財産とされています。しかし先住民とトレス海峡諸島民にとっては、彼らの土地、国、およびそれを構成するすべてのものは、あらゆる重要な出来事の生きた記録なのです。彼らの国との結びつきは奥深く強力です。それは先住民やトレス海峡諸島民が生活をする法の源です。それによって血の繋がりや身元が決まります。
 土地とそれを大切にし、保護することは、先住民やトレス海峡諸島民の文化と精神生活にとって基本的なことなのです。
 オーストラリアに入植したヨーロッパの植民は、彼らの土地を略奪、住民を分散して、文化的遺産の多くを破壊する結果になりました。先住民たちに行ったあらゆる不公正な行為の中で、伝統的な土地の略奪を、彼らは自分たちが蒙った最も厳しい損失であると感じました。
 植民者たちはTerra nulliusの原則に従い、その後の世代も先住民からの同意も補償もない強制的な強奪を正当化しました。その結果、先住民たちの伝統的な土地所有権は、州や連邦政府の施行した特別の法律によってのみ認められてきました。
 しかし1992年6月、オーストラリア高等裁判所は、Terra nullisの理念を覆す画期的な判決(Mabo係争判決)を下しました。続いて1992年10月に連邦政府は、この判決が意味するところを、全国的に研究する計画を発表しました。州や特別地域の諸団体、先住民・トレス海峡諸島民組織、鉱山・牧畜関係諸産業などとの協議が行われ、最終的には1993年9月に報告書が提出されることになっています。連邦政府は、判決は土着民の権利という形で、オーストラリアの土地保有権に新しい要素を導入し、特に土地に対する他の利権との関連で、土着民の権利の定義と適用を明確にする必要が出てきたと、言っています。政府はさらに、今後先住民やトレス海峡諸島民の権利保護とすべてのオーストラリア人が受ける恩恵との均衡を保つ政策の立案に努力すると言っています。
 オーストラリアで最も重要な土地所有権に関する法律は、1976年に施行された北部準州の先住民土地所有権法です。この法律は先住民たちが未譲渡の国有地とその他一部の土地に対する所有権を要求することを可能にしています。先住民土地委員会は、請求者が伝統的な先住民の所有者であるか否かを判定し、請求された土地の譲渡から発生する可能性のある損失についてコメントします。
 この法律の規定に従い、3カ所の国立公園を含む48万6,983平方キロメートルの土地が、1989年9月30日までに北部準州の先住民団体に譲渡されました。これは北部準州のおよそ36パーセント(注:日本の総面積およそ1,3倍)にあたります。ウルル(もとのエアーズロック)とその周辺の公園は、先住民地域会社が管理しています。カカドゥ国立公園は伝統的な所有者と連邦政府の機関である国立公園・野生動物サービス局が共同管理しています。
 北部準州の一部の先住民は、彼らの伝統的な土地に牧場があるので、土地権利法による所有権の請求ができません。1989年9月、連邦と北部準州の政府が、牧畜地になる先住民居住地域に関する条項削除を促進する同意書に調印しました。連邦政府はその後28の牧場にある居住地域を先住民に譲渡しました。
 地域社会が条項適用を除外されて所有権が認められると、連邦や北部準州政府から住宅、吸水。その他の施設のために援助資金を受けられるようになります。この除外計画は西オーストラリア州でも施行されました。
 ビクトリア州は先住民地域社会に、自分たちの土地の自由保有権を与えた最初の州です。ビクトリア州政府はビクトリア州に残る2つの先住民居住地区の所有権も、議会の特別立法によって先住民に譲渡しました。その後ビクトリア州議会で土地権利法を成立させようとした試みは失敗に終わっています。
 先住民の土地の強奪とそこからの追放に対する補償の問題は、ビクトリア州議会の超党派合同委員会で調査され、1984年10月に報告書が提出されています。しかし州政府はまだこの報告に基づく行動は起こしていません。
 ニュー・サウス・ウエールズ州政府は、1983年にニュー・サウス・ウエールズ州先住民土地所有権法を施行しましたが、これによって地方、地域、州の三層からなる先住民土地評議会が設立されました。土地評議会は、法的に占有されず、宅地として必要がなかったり、重要な公共目的に使用されていない国有地に対しては、所有権の請求をすることが可能になりました。
 南オーストラリア州では1966年に先住民土地信託法が成立し、かつての居住地域およそ5,000平方キロメートルに対する自由保有権が信託されました。1981年のPitjantiatjara土地所有権法で、州の北西部にある10万1,190平方キロメートルの土地の不可譲所有権が、伝統的な持ち主の組織に譲渡されました。
 また州の最西部にある7万6000平方キロメートルを越える土地は、1984年のMaralimga Tjaritja土地所有権法によって、伝統的な持ち主に譲渡されました。
 西オーストラリア州では、州政府が先住民地域社会に土地の所有権を与え、立法を待たずに行政取り決めのみで、インフラ整備やサービス供給を可能にする準備をし、先住民地域社会に移譲されました。
 クイーンズランド州では、先住民の土地に関する条項はいくつかの法律で規定されています。1986年と1987年に、主要な先住民とトレス海峡諸島民の居住地が永久借地の形で移譲されています。最近では1991年の先住民土地法とトレス海峡諸島民土地法に、特に次の条項が入っています:
 ・土地信託証書、先住民地域借地、先住民居住地などで保有されている土地に対する権利を改善して、不可譲自由所有権を与える。
 ・都市や町以外にある国有空き地に対する所有権の請求を、伝統的あるいは歴史的な関連性を斟酌して受け付ける。
 ・不可譲所有権の請求を受けて譲渡された国立公園に対しては、州政府は直ちにこれを長期契約による借り戻しの要求を行う。
 ・鉱物の所有権は引き続き国に属するが、採掘権の一部は土地所有者の利益として分配される。
 連邦政府は、土地所有権に対する州毎の取り組みによって、その責任が軽減されるものではないことを認め、州政府が望まなかったり、実行できなかったりした場合、連邦政府が立法を考慮する準備があることを表明しています。

アボリジニについてに戻る

参考資料:1993年オーストラリア大使館広報部発行「最初のオーストラリア人」より抜粋

■もっとディジュリドゥやアボリジナル文化について知りたい人は、ディンカム・ジャパンのトップページをご覧ください!
ディンカム・ジャパンはディジュリドゥの販売・教室・イベント&ライブ企画・演奏依頼など幅広くオーストラリア先住民文化について日本で活動する団体です。

www.dinkum-j.com