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ディジュリドゥの製作過程
ディジュリドゥはユーカリの木からできている。
 筒状になっているのは人工的に穴を開けたものではなく、白蟻が木の中を喰い尽くして空洞になったものを使用している。もちろん木を伐採するには許可が必要で、一般の観光客が勝手にディジュリドゥを作ることができないので、あくまでここでの過程は参考までに知っておいてほしい。

(1) 木を切りにいく
 ディジュリドゥに最適な木は主にオーストラリア北部に集中している。主な産地はノーザンテリトリー、クィーンズランド州北部、西オーストラリア州北部など。ユーカリの種類は約600種もあるといわれるが、そのうちディジュリドゥまたはイダキに適した木は数種類しかなく、例えば

 Woollybutt(ごく一般的にディジュリドゥに使用される木)
 Stringy Bark(北東アーネムランドのイダキは主にこの種類)
 Yellow Box(西アーネムランド近郊のマゴなど。ディジュリドゥには最適な木といわれている)
 Bloodwood(堅くて比較的重い。クィーンズランド産でよく見かける)
 Ironwood(ごくまれ。主にディジュリドゥよりもクラップスティックに使用される非常に堅い木)

などが多い。

 まずはそれらの木を探すことから始まる。木を切るとき根元に白蟻が塚を作りはじめているもの、木の葉が半分ぐらい枯れているものなどを探すのがポイント。熟練した人になると木を叩いてその音で判断することもできる。通常1本のユーカリの木から1〜3本のディジュリドゥが作れるが、質を重視するヨルングのイダキの場合は、1本の木から1本のイダキのみを制作するのが一般的である。またヨルングのイダキの場合は木の根本から50cmぐらいを残し、またその木から新しい木が生え替わるのを助けるが、バランダの職人の中には根本からばっさり切ってしまうことも少なくない。

(2) 木の長さを調節する
 少し長めに切ってきた木を最適な長さに切る。低い音なら長く、高い音なら短くします。
吹き口の大きさなどを考えながら長さを決めるのが一般的。


(3) 空洞を掃除する
 空洞の部分には白蟻の糞の塊(かなり堅く大きい)や木くず、ドロ、もちろん白蟻などが詰まっている。それらのものを取り除く必要がある。取り除く方法はまず、長い棒で突っついたり、穴の中にホースを入れて水圧で流し出す。それでもこびりついている糞などはさらに棒で突っつき、縦に軽く地面にたたきつけて出す。

(4) 樹皮を取り除く
 樹皮はいくつかの方法ではがすことができる。イダキの場合は、斧やナイフで削り落とすのが一般的。特に吹き口が小さく、ベルボトム型が多いイダキは、吹き口の周りを多めに削ぐ。またディジュリドゥによっては、斧の背の部分で樹皮をたたいてはがす場合もある。クィーンズランド産のディジュリドゥにはボトムにわざと樹皮を残すものもある。

(5) ヤスリをつかって表面を磨く
 伝統的にはヤスリなどを使用せず斧とナイフだけで表面を整えるが、ヨルングのイダキも最近では電動カンナやヤスリを使用するものが多くなってきている。

(6) 内部を整える
 ディジュリドゥの中には自然にできた空洞のまま使用するものもあるが、たいていの場合はノミやナイフで内部を整えることが多い。ディジュリドゥの多くは電動ドリルなどで内部をできるだけきれいに取り除いてしまうが、ヨルングのイダキの場合は吹き口から1/3〜2/3ぐらいは細く保ち、ボトム部分はできるだけ広げるものが多い。

(7) 表面をコーティングする
 ある程度乾燥させてから表面をコーティングする。一般的にニスや木工用ボンドを薄めたものを使用。地域によってはこの作業の前にエミューオイルまたはハリネズミのオイルを染み込ませることもある。コーティングをしないと急激に乾燥したときにクラック(ヒビ)が入ることがあり、クラックが入ったものは補修が必要になる。またペイントを施す場合もコーティングをする。

(8) ビーズワックスを付ける
 吹き口の大きさを整えるため、唇を守るため、また吹き口に口をフィットさせるためにビーズワックス(蜜ロウ)を取り付ける。イダキの場合は、このビーズワックスをつけないものが多いが、吹き口が大きかったりした場合は、ワイルドハニー(ユーカリの木の中に巣を作るブッシュハニーの巣のカスからできるロウ)を使うこともある。ビーズワックスを手で長細くのばして、吹き口にドーナッツ状に取り付ける。この時元の吹き口が大きければこのビーズワックスで小さく調整する。あまりたくさん付けないことがポイント。

(9) ペイントをする
 木肌のままのものもあるが、ペイントものはこの後、部族のトーテムや動物、鳥の絵などを描きます。
 ペイントにはアクリル絵の具、伝統的にはオーカ(岩絵の具)を使用する。オーカは通常、白、黒、黄、赤の4色で、イダキはいまでもそれら4色を基調としたものが多いが、クィーンズランド製のものなどはカラフルなペイントのものも少なくない。

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